地球の動物たち  ベローシファカ

マダガスカル島南部にあるベレンティ保護区は、ベローシファカに会えることで知られています。
保護区の外には広大なサイザルアサ畑が広がります。サイザルアサはリュウゼツランの仲間で、ロープなどの原材料になる麻です。

開墾で森がなくなり、車が通れるよう広い道が作られたことで、樹上生活者だったベローシファカは、木から木えと飛び移ることができなくなり、道を横飛びして渡るようになりました。
ベローシファカは後ろ足で立ち上がると、前足でバランスをとり地面を蹴りながら、横飛びで道を渡ります。
その姿はまるで踊っているように見えます。

ベローシファカはインドリ科シファカ属に分類される霊長類で体長40〜50cmくらい。生息地では精霊の宿る動物として崇められています。毛の色は白っぽく可愛らしい生き物です。



地球の動物たち  ヤクザル

屋久島の西側にはヤクザルを頻繁に見られるエリアがあります。サルたちは好きな食物を探し、山中を移動します。ヒトの与えるエサを一切食べていないところに、野生で生きていることのたくましさを感じます。

 

サルを見つけるときは、声を聞き逃さないよう、耳に意識を集中させます。声の近くまで来たら今度は樹上を見上げ、木の実を食べるサルを探します。バサッバサッという葉音がしてサルの群れが現れました。若いオスと母子がいます。同時に樹下にヤクシカが現れました。

 

樹上から、枝や食べかけの実をサルが落とします。それをシカが食べて糞をし、樹勢を強くします。

ワシなどが現れると樹上にいるサルが警戒音を発し、シカは子を脅かす天敵の存在をいち早く知ります。

 

自然の連鎖を知ることができ、動物たちの自然で生きる知恵を知ることができます。

地球の動物たち ケープキリン

ナミビア北部にあるエトーシャ国立公園。乾季のピークを迎えて川幅が狭くなっている水場へ、雨を待つ野生動物たちが水を飲みに来ます。

 

キリンはスローモーションのようにゆっくりと歩を進めますが、そこは世界一の脚長。実際のスピードは人よりも格段に早いです。ライオンが隠れていないかキョロキョロとあたりを警戒しながら水場えと近づきます。

 

母親は水際で最初の一口を飲むと、流れの中へ足を進めます。草食動物が水を飲むとき、よく見かける現象があります。飲んだ直後にオシッコをするのです。このときも母親は流れに入り立ち止まると、オシッコをしました。子も続けてします。水分補給ができたことで安心して排泄するのでしょうか。

 

動物たちには人とは違う面白い行動があります。

地球の動物たち  アフリカゾウ

タンザニアのンゴロンゴロ・クレーターは、国立公園ではなく、ヒト(マサイ族)と野生動物が共存できる保全地域です。世界遺産の中でも貴重な、世界複合遺産に登録されています。

 

およそ300年前にできたというカルデラの大きさは、東京23区と同じくらい。

標高差600メートルの外輪のおかげで、隔離された生態系が形成され、霧が発生しやすく湖があって、乾季にも緑が残るため、多種多様な野生動物が暮らしています。

 

立派なキバを持つ、40歳を超えるオスと出会いました。最近はキバの短いアフリカゾウが多くなった、と言われています。密猟により大きなキバを持つゾウが殺され、生き残った、キバの短いゾウ同士での交配が進んだ結果だと。

 

胸が締めつけられます。

 

 

地球の動物たち  カピバラ

世界で一番大きなネズミ、齧歯類(げっしるい)のカピバラ。生息するのはブラジルのパンタナールです。

 

世界最大の湿地帯の一つと謳われるパンタナール、雨季は川が氾濫し、土地のほとんどが半年もの間、水に浸かるおかげで、ヒトの手が入れられず、動物たちの豊かな生態系が保たれています。そこの頂点に立つのはジャガーカピバラの天敵です。

 

パンタナールのカピバラは人を恐ません。

 

のんびりしているようですが、子を守り、生き抜くためにさまざまな感覚を研ぎ澄ませている、野生のカピバラです。